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2025/05/01

電車に欠かせない架線柱や架線ビーム・ブラケットにも好き好き(2023年編)

 電化路線には欠かせない、架線柱とその支持物にも好き好きがあります。(第2回)

 欧州の鉄道写真で架線柱・ビームを見ると、日本ほど頑丈に見えるものではなく、スリムで簡易な造形で済んでいる箇所が多いようです。やはり、地震大国の日本、地盤が安定した欧州、の違いでしょうか。それに加えて日本は、「名物」の電柱が増えるお国柄ですから、架線柱も自然とにぎやかに太くなってしまうのかもしれません・・・。

 今回は2023年に見た光景を、個人的な感覚で振り返ります。画像フォルダを探すと、意外と架線柱関係の写真が残っていました。列車が来るまでどんな時間を過ごしていたかがわかるようです。

※関連記事 架線柱にも好き好き(2024年編) 小田急線が多摩川鉄橋を渡り 福井駅高架ホーム

 

 

 

▼近年の架線柱で悪くないなと思うのが、色のあるシンプルなカーブH鋼柱。小田急線多摩川橋りょうでは、鉄道橋や隣りの多摩水道橋にも合わせて若草色になっている。避雷針のようなものまで同じ色に塗られる徹底ぶり。ここでも、色があることのメリットを感じる。
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撮影地 東京都狛江市東和泉

 

 

 

▼最近の高架駅では、景観も意識してかカーブ鋼管柱が見られる。福井高架駅では、長スパンのためか鋼管トラスビームになり、少し煩雑に見えるのが残念。今や特急が全廃され、この立派な施設は第3セクター鉄道に移ったが、今後どう保たれるのかが気になる。
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撮影地 福井県福井市中央

 

 

 

▼架線柱には道路の電柱も兼ねるものもあり、経緯を知りたくなる。江ノ電鎌倉高校前付近では、おかげで海側の国道134号線に電柱がない。鎌倉市は県内初の無電柱化条例が出来たようだが、すっきりとした国道景観に江ノ電兼用柱が貢献しているとは意外だった。
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撮影地 奈川県鎌倉市腰越

 

 

 

▼地方鉄道の典型的なイメージのひとつが、木造駅舎と木造架線柱に細いビーム。この景観が続くようだと路線の将来が不安になるが、ここ福井鉄道北府駅はあえて駅舎など景観を維持しているようなので安心できる。個人的には新潟交通あたりも思い出される。
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撮影地 福井県越前市北府

 

 

 

▼工場地帯を走る鉄道には、それらしい架線柱もある。鶴見線安善の踏切に立つと、送電線を兼ねた高い門形柱が圧巻だった。架空送電線ファンにも通ずる感覚だろう。由来が気になるが、送電線敷地のねん出に鉄道用地を活用したものなのか。
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撮影地 奈川県横浜市鶴見区寛政町

 

 

 

▼古いレールを使った架線ビームが残る駅もある。新幹線開業前の上野駅はこのカーブした優美なレール柱が並んでいたようだが、今の上野駅にもなぜか一部が残る。ここまで減るとかえって耐震性が気になるが、いつまで見られるだろうか。
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撮影地 東京都台東区上野

 

 

 

▼電車基地には長大架線ビームが並ぶ。国鉄末期に建設された川越電車区、今の川越車両センターを一周すると、整然と立ち並ぶ架線柱・照明柱が見事だった。国鉄が残した形に見入ってしまい、こんな鉄道写真もいいのではないかとカメラを向けた。
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撮影地 埼玉県川越市

 

 

 

▼架線柱や架線ビームにも、やがて最期の時は来るだろう。スイッチバックが廃止された奥羽本線峠駅を訪れると、もう架線は無いのになぜか架線柱とビームが残る。かつての線路跡は判らないほど自然に還りつつあったが、駅構内だったことを確かに示していた。
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撮影地 山形県米沢市大沢

 

 

 

 

 

△カメラ Canon EOS KissX10
△レンズ EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS USM
△紀行日 2023年

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コメント

江ノ電の鎌倉高校前付近は、道路兼用架線柱だったんですね。今まで意識したことがなかったのですが、電線が多すぎるので江ノ電の景観をやや損なっていると感じます。

架線柱にも、それぞれの鉄道路線の歴史や特徴が表れているのが興味深いです。

★MIRUMIRUさん
とくに鎌倉高校前の“スラムダンク踏切”は、架線以外は地中化してスッキリしてほしいですね。

世界に広まる写真では、今はそれが日本らしさに映っていることでしょう(笑)

架線や架線柱は本当に種類が多く、歴史も長く奥深いものですね😃

いかにも日本的な風景で馴染んでいるものあり今後も私達の生活と共に、あり続けると思われます。

★汽車空間さん
路線によっても性格が分かれてきてますね、配慮あるか、無神経か…(笑)

写真写りに善し悪しがあることもあり、自分の中ではけっこう存在感があります。

日本は縦に長いから、北海道、太平洋側、日本海側、周波数の違いで微妙に違うのかな?

★イチロ―さん
地域による外観の差は、意外と少ない気がするのです。

ただ、鉄道会社ごとの色は感じられますね。

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