廃止発表された大垣夜行ムーンライトながらに復活してほしい理由
ついに大垣夜行が廃止とは、鉄道旅行好きにとっては死活問題!です。
大垣夜行ムーンライトながらは、『お客さまの行動様式の変化により列車の使命が薄れてきたことに加え、使用している車両の老朽化に伴い、運転を終了いたします。』と、廃止が発表されました(1月22日発表)。珍しく止める理由が書かれていますが、今回ばかりは思いの丈をぶつけざるを得ません。もう正直に書きます・・・。
まず『お客さまの行動様式の変化』とありますが、そうではなくて、夜行列車だけが進化しなかったから他の手段が魅力的になり、利用者は自然と夜行列車を選ぶことが減ったのだと思います。自らのことは棚に上げて、利用者に責任転嫁するのはいかがなものでしょうか。サンライズや最近の豪華夜行列車、それに新車が入る夜行バスはにぎわっています。値ごろ感のあるビジネスホテルは続々と増えました。それに対して近年の大垣夜行で良くなったことは何があるでしょうか。
また『列車の使命が薄れてきた』そうですが、夜行列車が失われ続けたこの20年は、意図的とも思える消極策によってその使命を鉄道会社自らが薄めていたとしか思えません。夜間移動する需要を拾おうとしない、需要を創ろうとしていませんでした。逆に、国民の資産だった国鉄から引き継いだインフラを独占して使う鉄道会社こそ、使命感を持って日本の大動脈東海道を昼夜支えることが必要なのではないでしょうか。通勤電車から高速列車、そして夜行列車までのフルラインナップをそろえてほしいものです。
最後の『使用している車両の老朽化』は、これは理由ではなくて廃止にしたいための言い訳に聞こえます。運輸を生業にしているのに車両の古さを理由にするとは、自らの役割を放棄しているようなものです。もう掛ける言葉もありません。。
ということで、大垣夜行に復活してほしい理由ですが、改めて考えてみると夜行列車の魅力にはいろいろあります。
(1)旅が味わえる
(2)週末に遠出できる
(3)早朝から動ける
(4)気軽に使える
(5)安心して寝られる
(6)旅の機会が増える
今回は、大垣夜行が毎晩走っていた頃の深夜の浜松を振り返りながら、私にとっての夜行列車の魅力を考えてみました。
【旅が味わえる】 学生時代から長旅には行きも帰りも夜行列車を使っていた。一夜を境に日常と旅先とがはっきり分かれ、気分的に別世界を味わえるのが良かった。そしてクライマックスは、夜行列車で迎える明け方。これを旅と言わずして何と言おう・・・。
撮影地 静岡県浜松市中区砂山町
【週末に遠出できる】 限られた週末や盆暮れGWにしか旅が出来ない身分にとっては、効率的な移動も大事なこと。さすがに月曜朝帰りしたことは少ないが、鉄道旅行好きにとって夜行列車は週末をフルに使うための決め技だった・・・。
【早朝から動ける】 夜型人間にとっては、とにかく夜行列車に乗ってしまえば朝は絶対起きるので、ありがたかった。飛行機や新幹線といえども、朝5時現地着にはかなわない。夜行列車が僅かになった今、どれだけ自分の時間がムダになっていることだろう・・・。
【気軽に使える】 学生時代は、鈍行夜行のコスパがありがたかった。私は夜行列車と周遊券に育てられて鉄道旅行が習慣となり、旅人生を歩むことができた。今の世代はどうやって長旅をしているのだろう。旅の選択肢から鉄道が外れてしまわないか・・・。
【安心して寝られる】 興奮して目が冴えてしまうとか揺れるとかは置いておくとしても、運転手の注意力と腕にかかっている夜行バスと違って、線路をたどる鉄道ならまず余計な心配はいらない。全国に夜行列車があればもっと旅に出たくなるのに・・・。
【旅の機会が増える】 18きっぷも夜行快速も、あれば使うが、無ければそれでも済む。それがあるだけで旅行・移動は増えるが、無ければ新幹線を使うものでもない。夜行列車により、訪日客だけではなく隠れた国内需要をもっと拾ってほしいと思う。
今は仕方ないとしても平時に戻ったときには、大垣夜行には是非とも復活してほしい、という夢を捨て去ることは決して出来ません。
かつて国鉄時代に客車夜行廃止を反対の声が食い止めたと伝わるように、みんなで声を上げてなんとか復活につなげたいものです。
※関連記事 今こそ夜行列車復活で、長距離移動のグレート・リセットを 復活してほしい夜行列車の魅力 大垣夜行ムーンライトながら185系の深夜浜松停車 ムーンライトながら185系は大垣で昼寝 復活してほしい中央夜行ムーンライト信州
△カメラ Canon PowerShot S3 IS
△紀行日 2007/1/1(月)
« 駅名改称された「羽田空港国際線ビル」と「羽田空港国際線ターミナル」 | トップページ | 留萌本線の部分存続を願う北一已のそば畑(2026年頃廃止予定) »
「15_中部」カテゴリの記事
- 伊東駅と熱海駅で見送った国鉄特急型電車185系踊り子号(2022.03.19)
- 然別湖の湖底線路で思い出す岩瀬漁港へ消えるレール(2021.09.04)
- 片瀬白田~伊豆稲取の伊豆急線から見える海と島(2021.07.10)
- 電気機関車たちが休む岳南富士岡駅(2021.06.26)
- 富山駅で富山都心線:セントラムと富山ライトレール:ポートラムが南北接続した日(2021.04.17)
「60_夜行紀行」カテゴリの記事
- 思い出の寝台特急あけぼの(上野-秋田-青森)《復活してほしい夜行列車(20)》(2022.09.03)
- 思い出の寝台特急はくつる(上野-八戸-青森)《復活してほしい夜行列車(19)》(2022.09.03)
- 思い出の寝台特急北斗星(上野-札幌)《復活してほしい夜行列車(18)》(2022.08.27)
- 思い出の夜行特急利尻(札幌-稚内)《復活してほしい夜行列車(17)》(2022.08.27)
- 思い出の夜行特急オホーツク(札幌-網走)《復活してほしい夜行列車(16)》(2022.08.20)
コメント
« 駅名改称された「羽田空港国際線ビル」と「羽田空港国際線ターミナル」 | トップページ | 留萌本線の部分存続を願う北一已のそば畑(2026年頃廃止予定) »
今回の決定は誠に残念で、東海道線の夜行はサンライズのみになってしまって旅行の選択が、また一つ減ってしまっている感じです。
JRはよく乗客が減ったからと言っていますが、やはり鉄道会社がもっと乗客を増やす政策が求められているのではないか思います。
減るから無くす、というやり方は全てにおいて上手くいかないものです。
再考を願います。
投稿: 汽車空間 | 2021/01/23 17:34
★ 汽車空間 様
残念ながら鉄道会社には鉄道で旅をする方は少ないようで、記事で書いた感覚は通じないようです。
でも観光旅行好きの方は多いでしょうから、観光列車や訪日客には熱心なのでしょう。
私たちは鉄道のヘビーユーザーと自負?していますが、まぁ全体からしたらわずかな人数なのでしょう。。
でも鉄道旅行好きが列車の充実を願うことは悪いことではないと思いますので、これからも声を上げていきたいですね。
投稿: ひょうたん山@管理人 | 2021/01/23 19:31