暗くなった抜海駅で19時31分発稚内行を見送る(2025年廃止)
暗くなった宗谷本線抜海駅で、19時31分発の稚内行4331Dを見送ってきました。
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▼抜海駅前の民家は現在一軒のみ。暗い駅前から駅に入るとほっとする。
撮影地 北海道稚内市抜海村クトネベツ
▼ここに示される駅で、未来永劫いやあと30年後に残っている駅はあるだろうか。
▼構内横断場の警報音はやはり更新されていた。LED照明となり夜も構内が明るく見える。手持ち1/15秒、ISO12800。
▼近くの踏切警報音が聞こえる前から、列車の音が響いてきていた。気温14度、そろそろ手先に冷たさを感じる頃。
▼抜海駅待合室内。かつては優美な木製の長いすがあった気がするが、いつの間にか消えていた。今は4人分のベンチのみ。
▼待合室からホームへ出るには、二回扉を開け閉めする。その間のスペースで雪への備えがされていた。
▼あたりは暗い。抜海駅をとりまく環境も暗い。宗谷本線がある限りは抜海駅も存続することを、心から願っている。
《追記》 抜海駅は2021年3月以降も存続することが、2020年12月9日に発表されました。
《2025/3/15追記》 昨日で抜海駅は結局廃止になりました。単なるそろばん勘定では廃止になるのでしょう。しかしそれだけで判断して良いものなのか、いろいろ考えさせられました。宗谷本線と沿線はもっとその魅力を広めないともったいない、日本の鉄道網はローカル線や小駅をどこまで維持するのか、日本の限られた赤字予算で鉄道施設へはどう配分するのか、などまで思いは巡りました。
また痛感したのは、訪問客が旅先で良いと感じても、地元の方々にとってはそうでもない、ということでした。抜海駅なら、おそらく稚内の方々なら何もないボロ駅舎のどこがいいのか、という感覚でしょう。富良野の丘で、見向きもされない一本の木に訪問客は集まる、ことにも似ています。訪問客は観光地や名所だけではなく、無名なシーンにもその地域の魅力を感じることを、もう少し地元の方々に知って頂けたらと感じました。
最後に、個人的な妄想を書きます。臨時駅「抜海原野」の設置です。「釧路湿原」や「原生花園」臨時駅が名所ど真ん中に出来て、私も早速行きましたが、今も多くの人が訪れるようです。そこで宗谷本線にも、日本海と利尻富士が一望できるあの高台の絶景ポイントに「抜海原野」臨時駅を設けてはいかがでしょうか。今の徐行運転だけではなく、臨時駅設置と「抜海トロッコ」列車の運行で、稚内と宗谷本線の魅力アップに期待できると思います。抜海駅の廃止が、なぜここまで他所の人にも惜しまれ、なぜ全国ニュースにもなったのかを思い起こし、ここで終わってほしくない気がするのです。
△カメラ Canon EOS KissX9
△レンズ EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS USM
△紀行日 2020/9/21(月)
▽Webサイト 線路端紀行
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コメント
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宗谷本線、懐かしいです。
この辺は列車が走り去ると、本当に寂しく駅で待っていると少し怖いぐらいです。
存廃に揺れる路線ですが、これからも地元の人達のためにも残ってほしいものです。
投稿: 汽車空間 | 2020/09/22 17:09
★汽車空間さん
住民の生活のために出来た鉄道駅なら、住民がゼロになったら廃止も仕方ありませんが、抜海駅付近はまだ無人ではありませんからねぇ。
日本全国から抜海駅へ訪れる人もゼロではないし、むしろもっと集客できるでしょうし。。
枝葉なくして幹まで細らないよう祈るばかりです。
投稿: ひょうたん山@管理人 | 2020/09/22 19:56